蟲師 #4「枕小路」感想

＜＜4話あらすじ＞＞
蟲師のギンコと名乗るひとりの男が、とある村の家に訪れた。
巷で噂になっている予知夢の話を聞き、ここにやってきたのだという。
その村に予知夢を見させる蟲にとりつかれた男、ジンがいた。
薬を飲まなければ、いずれ夢から覚めなくなってしまうと
釘をさした上でギンコはジンに蟲の数を調整する薬を渡したが。
再度訪れた村は寂れ果て、家の中にジンがうずくまっていた。

寝言と会話をしてはいけない
――それは彼岸の国の言葉。

今回の主な登場人物はジン、ギンコの2人です。
それでは以下感想と4話の見どころです。

＊　＊　＊

4話の見どころ

＜＜注目ポイント①＞＞予知夢
ある日ジンが薪を集めていた時、ふと落ちた薪を拾うと
地面に空いた穴から並々と水があふれ出てきた。
なんと水脈を掘り当てたのだ・・・という夢を見た。
そして夢で見た通りに穴を掘ると、本当に水が湧き出た。
これはさぞかし村人に感謝されて、重宝されてきただろうな。

予知夢を見る回数が増えてきたと奥さんに指摘される。
ジンもジンの奥さんも「蟲が夢を見せている」と信じてなかった。
けれども心配する奥さんを安心させるために薬を飲むというジン。
予知夢で皆を助けることが出来、それを皆期待している。
「何も恐れることはない」と奥さんに言われるも、
ジンの顔からは予知夢への恐怖は消えず、進んで薬を飲んだ。
予知夢がいいことばかりを引き起こすとは限らないんじゃ。

＜＜注目ポイント②＞＞突然の大災害
そんな中、ある日突然、村を津波が襲う。
浜にいたジンの娘が巻き込まれた。
ジンは今まで見えていた予知夢を薬によって押さえていた。
それがある意味では仇となってしまった形だった。
普通は誰にも津波が来るなんてわからない。
けれどジンには予知夢という物があった。
だから薬を飲むのをやめてしまった。

予知夢を見ないことの恐怖より、
予知夢と共にあることを選んだのだ。
私には力におぼれたように見えた。
得た力とその恩恵を手放すことは難しい。

＜＜注目ポイント③＞＞夢を現実にする
ジンの中にいる蟲は予知夢を見る蟲なんかじゃなく、
見た夢を現世に伝染させる蟲だった。
今まで起きた予知夢は、ジンが起こしていたことだったのだ。
彼の意思とは関係なく、蟲が現実にしてしまった。
だから指先から青いカビが生えて、一瞬で全身に広がり、
泥のようにくずれてしまう病の対象に本人は入らないのか。
だったら、あの津波はどうなるのだろうか？
あれは本当に夢に関係なく起こった天災だったのか？

なぜ嘘をついたと憤るジンに、
この蟲は完全に断つことが出来ないと答えるギンコ。
そして蟲の性質を告げてしまえば、自らが作りだす物の大きさ
責任に宿主が耐えきれなくなってしまうと考えたらしい。
危険分子を殺すという選択肢はギンコにはなんだろうなぁ。

＜＜注目ポイント④＞＞枕小路
夢は枕を通ってやってくる。
「宿主が目覚めている時、そこで蟲たちは眠る。」
ギンコの言葉に、ジンは枕が蟲たちの寝どこなのだと気づき。
自分の人生を狂わせた忌々しい蟲を排除しようと
刀を振りかざし、枕を真っ二つに切った。
少ししてジンの腹も同じように割ける。

枕の語源は魂の蔵。
生きているうちの3割ほど、頭を預ける場所。
だからそこに魂が宿ると考えられていた。
そしてそこは蟲の巣になっていて。
ジンは自らを刀で切ったことになるようだ。

＜＜4話を終えて＞＞
蟲に人生されも翻弄され疲れ果てたジン。
そして枕を切ったその日から夢を見なくなったらしいが、
次第に精神を病んで、最後には自殺してしまったらしい。

けれどジンは悪くはないし、蟲も悪くない。
ジンの人生が蟲のせいで変わってしまったのは事実で。
それでも、どちらにも罪はないから難しい。
そんな中、人と蟲の共生を目指すギンコも難しい。

ジンの見る夢は謎の病以外は大体現実的で、
もし私の見る夢が現実になっていたとしたらと想像して、
ありえなさすぎる夢の数々に頭が痛くなりました。